日本銀行 デフレの番人 で気になったところがあります。
マネタリーベースを160-210兆円に増額し、予想インフレ率を2%に高める。すると19円程度円安になり、輸出が増え設備投資も増加しデフレギャップが埋まる。デフレを脱却するくだりで、このような説明がされていました。
気になったのは輸出主導でデフレギャップ解消というところなんですが、外需バブルが無くなった今、そんなに期待できるのかなと。もちろん、円安で輸出産業が有利になるのは良いと思うんですが。
為替と輸出量の関係で、下のようなグラフで説明がありました。
輸出量と実質実効為替レート指数の関係を見たもの。円と諸外国の為替レートを貿易量で加重平均し日本と諸外国との相対的な物価水準で調整したものが実質実効為替レート指数ということ、だそうで日銀のサイトにあります。グラフでは相関が非常に高いように見えますが、2000-2011年の資料なので外需バブルのあった頃が含まれており、それが良く見せているのかなと思いました。
それで、輸出額と輸入額の推移を見てみました。財務省貿易統計より
2005-2008年頃に輸出(Exp)が増大し、最近は弱まっています。輸入もどんどん増えていますね。
2005-2008年が特殊だったとして、色分けすると最初のグラフは下のようになります。
外需バブルの頃のデータは、円安と輸出量ともに出来すぎだったかもしれません。それでも円安で輸出が増える傾向は、ありそうです。
米国では金融政策でインフレ率を保っても失業率が思ったように下がっていないこと、1997年の日本の緊縮財政でとんでもないことになったし、昭和恐慌脱却も積極財政だったので、デフレ脱却までは財政出動が王道なんじゃないのかなと思いました。