小型株投資の日記

株式投資の記録

昭和恐慌の教訓

 昭和恐慌の研究の終章に、デフレからの脱出に関する対策がまとめてあります。
 
 
要約すると・・・
 
 昭和恐慌時のデフレ脱却は、金本位制からの離脱と日銀の国債引き受けの2大イベントで達成した。ここで、重要なのはデフレ予想を払拭して、インフレ予想の大ジャンプを形成することである。
 
 日銀の政策は小出しの政策の積み上げであり、インフレ予想の形成に効果が無い。インフレ予想の形成には、ビッグイベントと強固なコミットメントが必要である。具体的には、1~3%のインフレ目標を設定し、無制限の長期国債買いオペを提案する。予想インフレ率が急速に上昇しても名目金利はほとんど変化しないため実質金利が大幅に低下することと、株価の上昇によりバランスシートが改善され、需要を拡大させることが可能となる。
 
 
 これが書かれたのは2004年ですが、今でも日銀は小出しの政策しか行わないと良く聞きますね。インフレ目標らしきものを導入しても、達成すると考えている人はいないので意味が無いと言えます。
 
 日銀のHPには物価の安定が仕事ですと書いてありますが、デフレは安定していると言わないので、もう10年以上結果が出ていないことになりますが、独立性とか何とかのせいで一切責任取らなくて良いというのも不思議。自殺者だけでも10万人以上余計に死んでるけど、どうなんですかね。
 
 昭和恐慌の研究では、公共投資などの財政出動についてあまり触れられていません。とりあえず、岩田規久男さんの最近の著作も読んでみることにします。