「兵の多いほうが勝つ」
劉禅はとんでもなくダメな君主という事になっていますが、孔明が言っていたなら傾聴する価値はあります。兵の多いほうが勝つなら、蜀は勝てないじゃねぇか、という突っ込みは置いておいて。
この言葉の意味は、人数の多いほうが、資本が大きいほうが、何でもデカいほうが勝つとも捉えられます。なるほど、それは確かに一理ありますね。
さて、このデカいほうが強いというのは企業でも当てはまるのでしょうか?
一般的に言って、働くなら大企業のほうが圧倒的に待遇が良いことが知られていますが、それだけ支払えるのは強い証拠とも言えます。
法人企業統計から、規模別主要財務のデータをグラフにしました。
総資本経常利益率=経常利益/総資本×100 (%) ですが、資本金が大きいほうが優れています。資本金が一億円以上ではあまり差は見えていません。
売上高経常利益率は、資本金が大きいほうが高くなっており、資本金10億円以上は8%と圧倒しています。
自己資本比率も、資本金が大きいほうが高くなっています。
以上をまとめると、デカいほうが安定しており、なおかつ高収益と言えそうです。
ただし、今回のデータは業種の区別をしていないので、例えば小資本の会社はサービス業が多いために低収益になっているとか、業種の偏りの影響も考えられます。正しくやるなら、業種毎に規模別でデータをまとめたほうが良いかも知れません。
デカいほうが安定して強いのに、その一方で小型株効果があるというのは矛盾しているのでは無いかという疑問も生じます。米国でも小型株効果は確認されていますし、下のTOPIX推移を見ると、小型株のパフォーマンスは優れています。
これは不思議ですね・・・。上場してくる企業は小さな会社でも資本金一億円以上あると思いますので、総資本経常利益率に大きな差は見られないという事と、更に+αの何かがあると思いますが、良く分かりませんね。