法人企業統計の続きです。
前回の結果から、日本企業が利益を伸ばしているのは分かりました。
そういえば、アベノミクスの初期に、民間の設備投資を引き出す!という呪文のような言葉がさんざん言われていたのを思い出しました。
さて、企業は利益が出るようになってきたし、設備投資も増えているのでしょうか?
企業の主だった資産の推移がこちらです。
法人企業統計では、有形固定資産は土地と建設仮勘定及びその他の有形固定資産に区分されていたので、それらをまとめています。設備投資を増やすという事は、この有形固定資産が増えているはずですが、緩やかに減っています。すいません、よくよく見ると近年は横ばいですね。
一国民としては残念ですが、設備投資は横ばい。確かに最近は民間の設備投資を~とか聞かないですものね。まあ、結果が悪すぎて政府としては言及不可能。
有形固定資産に代わって増えているのは、現金と投資有価証券です。特に投資有価証券の増加が目を引きます。この中身の詳細は明らかではありませんが、海外現地法人なども含めた関係会社の株式や、長期目的の株式・債権・投資信託などとされています。
日本企業としては、国内に設備投資しても儲からないので、海外へ投資を増やそうとしている傾向は確かにありそうです。
それと、純資産は順調に増えています。20年で2.8倍。1990年ごろのデータが無いのは残念ですが、歴史的にも高値付近では無いかと思います。
もう一点指摘されることが多いのが、営業利益と経常利益の差で、特に近年は営業利益よりも経常利益の伸びが大きいということがあります。
これは、借入の利息が減って、投資有価証券からの受取配当金などが増えているとも想像できますね。
このグラフ類からも日本株に対しては、比較的ポジティブに見えますね。