タイトルの通り、現在の日本では法人課税が抑制され国民への課税を増やす方向の政策が取られていますが、この流れは今後も続くだろうと、個人的には考えています。
まず、日本企業の税引き前利益や純利益が高まっているのに、法人税はあまり増えていないという事がありました。下は前回のグラフです。
その一方で、消費税率は上げられています。消費税は消費者が負担するもので、法人は基本的に負担しないし、益金になる場合もあります。
国民に対する所得税などは、所得が増えないので、あまり変化はありません。グラフにすると、下のようになりました。税金は右軸なのでご注意ください。
給与総額と源泉税額は民間給与実態統計調査より、消費税は財務省のホームページより
給与総額はゆるゆると低下して、最近は少し上がっていますが、基本的には横這いです。当然、給与の源泉所得税も横這いです。
それに対して、消費税は順調に積みあがっています。
それで、この20年くらいの状況としては法人の課税が増えずに、国民への課税が増えている状況です。なぜ、さほど豊かとは言えない国民への課税ばかりが強化されるのか、非常に疑問に思っていました。
それに対する答えが、財務省のホームページにありましたので、貼っておきます。
これは日本人の好きな国際比較と言うやつだと思います。これによると、日本の法人所得課税の割合がほかの国に比較して高いことが分かります。日本は20%なのに対して、他国は概ね10%以下となっています。
このため、法人課税は抑制して、国民への課税を強化するような圧力を受けているのだと推測できますし、しばらくは、この流れが続くのではないかと思います。
なお、途中で給与総額が最近増えてきたという記述がありましたが、下のグラフのように平均給与は底を這いつくばっておりますので、ご安心ください。消費増税もありましたし、実質的な給与は更に下でしょう。