小型株投資の日記

株式投資の記録

公共事業の効果が小さいとする言説について

原田の公共事業の効果が小さいとする言説について確認してみました。
 
一部を抜粋したものを斜体で示します。
 
なぜ公共事業の効果は小さいのか
 まず第一に、公共事業をするとは、建設国債を出して建設投資をするということだから、それをしない場合より金利が上がって、民間の投資を押しのけてしまうからである。これはクラウディング・アウトといわれるものである。
 第二に、金利が上がれば資本が流入して円高になる。円が上がれば輸出が減少して、公共事業の刺激効果を減殺するからである。これはマンデル=フレミング・モデルといわれるものの結果である。なお、クラウディング・アウト、マンデル=フレミング・モデルの意味するところは、「公共投資で景気を刺激したいのなら、同時に金融を緩和しなければ効果はない、もしくは減殺される」ということである。
 第三に、効果の小さい公共事業をすればそれだけ将来は貧しくなるということだから、消費が減る。東日本大震災の復興工事で巨大な防潮堤や高台の団地を造成しているが、そこに住む人はいないという状況が生まれるだろう。いくら災害から守っても、守られるべき人がいなければ無駄な投資ということになる。
 第四に、国の借金が増えれば将来には増税が必要になるわけだから、そのためにいま貯蓄して将来の増税に備えるので消費が減る。この説明に対して多くの読者は、そんなことは非現実的だと思われるだろうが、年金や高齢になったときの医療費、介護費などについて考えれば、それほど非現実的でもない。国の借金が巨額になれば、国家は将来の社会保障支出を賄えないので、自分で準備するしかない、すなわち、貯蓄するしかないと思っている方は多いだろう。
 
 まず第一の金利ですが、下に藤井教授が示されるように全く上がっていません。
 このグラフはなぜか新規国債発行残高です。追加すると、1990年から1996年は公的資本形成が増加していましたが、金利はむしろ低下していました。昨年も公的資本形成を増やしましたが金利は上がっていないわけで、原田が主張している現象は発生していません。
 
 第二のマンデルの件ですが、同じく昨年公的資本形成を増やしましたが、大幅円安になっています。そもそもこの人は為替が変動する原因を理解できていないのでは?
 
 第三、公共投資にはストックとフローの効果がありますが、フローの効果だけでも経済的な効果があるのは明らか。原田はそもそもフローの効果があることを理解できていない。もちろん、ストックの効果を高める必要はあるでしょうが、現在の日本に重要なのはフローです。
 
第四、国の借金が増えると消費が減る。これは典型的な抽象論で、そう言われるとそんな気もするけど・・・、本当かどうかよく分からない、具体的なデータは見たことがありません。
 それで、政府債務残高と消費性向のデータを確認してみました。
イメージ 1
 
 政府債務残高と消費性向の相関があるようには見えません。ですので、”国の借金が増えると消費が減る”というのは新自由主義者の妄言です。妄言を吐く理由は、消費税上げるため、などが考えられます。
 
 ああ、これはまるで韓国人を相手にしているようだ・・・。つまり、時間の無駄・・・。影響力のある教授がデータも確認せずに適当なことばかり言ってはいけないよ。
 
 
 ついでに、消費性向と可処分所得の推移をグラフにしてみました。
イメージ 2
 消費性向は1997年ごろから増加傾向にあるのが気になりましたが、それはやはり可処分所得が減少しているためと考えれば納得できます。収入が低い人ほど消費の割合が高い傾向にありますので。
 
 
 あと、デフレで金使う人は少ないということを示唆するグラフです。1998年ごろから消費性向が低下していますが、それはちょうどデフレに突入した頃です。デフレで2%程度消費性向が低下しているように見えますね。
 
イメージ 3