為替に関連する本の2冊目で、安達 誠司さんの”円高の正体”を読みました。説明が丁寧で筋も通っており、良書だと思います。
内容
・円高は、日米の予想インフレ率の差によってもたらされている。
・日銀のマネタリーベース供給量を200兆円(今は120兆円程度)に拡大すれば、1ドル115円程度になり、インフレ率3%と名目経済成長4%が可能となる。
その他の指摘
・円高で日本の景気は悪くなるため、税収も減り続けており、財政危機の一因となっている
などなど
感想
データも豊富で、この本の内容は良い指摘だと思います。
他にも数冊読んでみましたが、デフレ、円高、株安、景気悪化、賃金の減少、就職難、財政赤字拡大という現在の日本の問題は関連していて、悪い流れを断ち切れるのは日銀だけのような気がします。少なくともデフレについては日銀が解決すべき課題のはずですが、当の日銀はデフレや円高が良いと考えているため量的金融緩和に対して非常に消極的。この状況で消費税増税をやっても景気が悪くなる一方で、税収は増えないし。
結局、為替や日本株の動向は日銀の政策に依存するところが大きく、先が読めません。個別株投資ならあまり考えすぎないほうが良いかも知れませんね。