日銀の資金循環統計から、各年度末の上場株式ストック(残高)に対する次年度の調整額(時価変動分)から、各経済主体のパフォーマンスを算出しました。
幾何平均(積のn乗根)と算術平均(各年度のリターンを単純に足して割ったもの)を算出しています。資産の増減に対して実用的なのは幾何平均となります。
左から幾何平均の高い順に並べています。
1979年度から2018年度の期間では、ディーラー・ブローカー(主に証券会社)の圧勝。ただ、各年度末の資産を元にしているため、ポジションを処分しているかも知れないし、他人の取引への割り込みなども短期間で処分するでしょうから、どこまで正しい数字であるか疑問はあります。実際、ディーラー・ブローカーの上場株式の保有比率は全体の3%未満でかなり小さいです。
その他は、海外、投資信託、公的年金、家計の順になっています。
海外投資家は有能であるという印象がありますが、優れたパフォーマンスとなっています。
投資信託は6.5%ですが、手数料を考えると購入した人がどれくらい儲かっているかは分かりませんね。
公的年金は優秀と言えます。
その次が家計です。個人投資家のパフォーマンスは近年の高値更新から考えると優秀と思われましたが、平凡でした。
銀行、年金基金、保険は、株式を止めてインデックスをやったほうが良いと言われそう。。。いや、パフォーマンスが低い人たちが多いほうが、我々儲かりますので、是非今後も退場せずに頑張って続けて頂きたいですね。
さて、これだけ見ると、海外投資家に良いようにやられています。
しかし、個人的には海外投資家が本当に有能かどうか疑問に思っているんですよね。情報については地の利というものが存在すると考えています。
例えば、自分の保有株で申し訳ないのですが、ウイルプラスでJAIAのJEEP月次が+40%、+50%、+60%と出ていて、その当時はPER8倍で少なくとも30%の増益が見込めました。ところが、その局面で某外資ファンドらしき投資家が10%も株価を下げながら投げ売りしていたのですよね。
それは動きが悪いから投げていたのかも知れませんが、ただ単に情報を拾えていないだけじゃないのかなと。
そういう疑問があって、海外投資家が大きな比率を占めるようになった2000年以降のみのパフォーマンスも確認してみました。
2000年以降は、ITバブル崩壊、リーマンショックと乱調相場であり、概ね低調なリターンとなっています。その中でディーラー・ブローカーはリターンが異常に高く、やはり普通の株式投資では無さそう。
それを除くと、家計が首位で、投資信託、非金融法人、海外と続きます。
普通の株式投資をするプロたちは、投資信託、海外、年金などですが、それらよりも家計のほうが成績が良かったです。
それは、つまり個人投資家こそが国内最強の投資集団であるとも言えるかもしれません。
少なくとも、投資信託や年金、海外投資家などのプロがこういう行動をしているのに、アホな個人投資家は逆の行動をしているという報道があったとしても、そのことに引け目を感じる必要は無いと思います。
思いあがるのは良くありませんが、個人投資家はトップグループに入る素地がありますので、上を目指すには良い立ち位置です。
なお、今年の抱負は己を知るということです。。。